市内高等学校への福祉的支援の在り方に関する検討委員会

市内高等学校への福祉的支援の在り方に関する検討委員会

テーマ:高校と連携した「地域まるごと校内居場所カフェ」モデル構築のための実証研究と事業推進

 文部科学省初等中等教育局「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」によると、全国の高等学校における長期欠席者数(80,752人)のうち、その理由が不登校である生徒数は52,723人であり、全体の65.3%を占めています。また不登校の要因としては、全日制の生徒では、いじめを除く友人関係をめぐる問題(19.8%)、学業の不振(18.4%)、家庭に係る状況(17.7%)が上位を占めています。また高等学校中途退学等の事由を確認すると、学校生活・学業不適応が36.3%と大きな要因となっており、これらのデータ間での直接的な因果関係は説明できませんが、不登校や人間関係の悩みを抱えている高校生を福祉的に支援することにより、不登校の減少や高校中途退学率の抑制につながるのではないかと考えられます。

 ここで千葉県教育庁教育振興部のデータについても確認してみます。平成30年の千葉県の不登校生徒(高校生)は3,077人で、平成29年に比べ、105人の増加となっています。1000人あたりの不登校数でみると、全国で16.3人のところ、千葉県では20.4人と全国を上回っています。また中途退学者数は、平成30年は2,160人で、平成29年の2,022人に比べ、138名の増加でした。中途退学事由は、全国と同様で、学校生活・学業不適応が最も多くなっています。千葉県の対策としては、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等を活用した教育相談体制の充実や地域連携アクティブスクール等の取り組みを行っています。

 そこで本委員会では、「校内居場所カフェ」モデルの構築と実証実験を行うとともに、継続的な事業展開を推進することにより、市内の高校に通学する高校生への福祉的支援の可能性を明らかにするとともに、貢献を行っていきたいと考えています。


2021年7月20日に「校内居場所カフェ」を開催しました。

 千葉県立生浜高等学校において、校内居場所カフェ(「ライトカフェ」)の取り組みを実施しました。「校内居場所カフェ」の取り組みは、高校生への福祉的支援を目標とした活動であり、食事を提供しながら、高校生とのコミュニケーションや交流機会を持つことで、高校生の第三の居場所を創るとともに、必要であれば、専門的な支援につなげていくことを目指す活動です。今回の取り組みにおいても、このことをプログラムの「軸」として、高校生と大学生との「ななめ」の関係での交流や「語り合い」を通じて、高校生が抱えている課題を共に話したり、交流したりする機会を設けました。また、食事の提供については、コロナ禍であることから、居場所カフェスペースでは食事をすることを制限し、「持ち帰り」の形式としました。

当日は、第1部(11時45分~14時)、第2部(15時45分~17時)の2部制とし、第1部には180名、第2部には49名、計229名の高校生が参加。

学生ボランティア:神田外語大学6名、淑徳大学12名、千葉経済大学11名の計29名が参加。

教職員や社会人のボランティアスタッフ:神田外語大学、淑徳大学、千葉経済大学、帝京平成大学、千葉大学、TSUGAnoわこども食堂、社会福祉法人初穂会(稲毛こひつじ園、ほっとスペース稲毛ペコリーノ)、千葉市役所、千葉市中央区社会福祉協議会、千葉市若葉区社会福祉協議会。